リスキリング支援事業の「最大70%OFF」は転職が条件|教育訓練給付との違いを公式表で検算【2026年8月】

白紙の書類と電卓、万年筆、眼鏡、マグカップが置かれた木製デスク

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最終更新:2026年8月21日 公開:2026年8月21日

この記事の内容

  1. 結論早見表
  2. 1. 「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」とは何か
  3. 2. 「最大70%」の内訳は 1/2 + 1/5 に分かれている
  4. 3. 【検算】公式の価格表で「70%」を再現してみる
  5. 4. 上限が効き始めるのは税込88万円から
  6. 5. 修了時点の負担と、1年後の負担は別物
  7. 6. 教育訓練給付金との違いを整理する
  8. 7. 同じ「24週間プラン」でも制度によって金額が違う
  9. 8. 【2026年8月20日】テックアカデミーが受講者に誓約書の再提出を依頼している
  10. 9. 申し込む前に確認したい5つのこと
  11. よくある質問
  12. 確認に使用した一次情報

スクールの料金ページで「最大70%OFF」と書かれているのを見て、教育訓練給付金のことだと思った方もいるかもしれません。これは経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」という別の制度で、厚生労働省の教育訓練給付金とは仕組みも条件もまったく違います。

この記事では、2026年8月20日時点の公式サイトの記載をもとに、この制度の「70%」がどう計算されているのかを実際の価格表で検算し、教育訓練給付金との違いと、申し込む前に確認しておきたい点を整理します。結論を先に書くと、受講が終わった時点で確定するのは半分(1/2・上限40万円)までで、残りは転職して1年間働き続けたあとに乗る補助です。

結論早見表

項目 内容(2026年8月20日 公式確認)
制度の名前 リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(経済産業省)
お金を受け取るのは誰か 受講者本人ではなく「補助事業者」。受講者は最初から安い価格で申し込む
補助の内訳 ①講座修了で受講費用(税別)の1/2・上限40万円 ②転職して1年継続就業で追加1/5・上限16万円
合計上限 56万円
対象になる人 登録時と初回面談時に在職者で、雇用主の変更を伴う転職を目指している人
「転職」の定義 補助事業で実施された職業紹介による転職、または転職支援を行う職業紹介事業者が自社で雇用する転職
セットで受けるもの キャリア相談・リスキリング講座・転職支援の3点セット(相談と転職支援は無料)

1. 「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」とは何か

公式サイトの説明では、この事業は「リスキリングと労働移動の円滑化を一体的に進める観点から、在職者が自らのキャリアについて民間の専門家に相談できる『キャリア相談対応』、それを踏まえてリスキリング講座を受講できる『リスキリング提供』、それらを踏まえた『転職支援』までを一体的に実施する体制を整備」するものだと書かれています(2026年8月20日確認)。経済産業省が採択し、経済産業省および一般社団法人環境パートナーシップ会議の監督のもと、株式会社野村総合研究所が事務局を運用しています。

ここで押さえておきたいのが、補助金を受け取るのは受講者ではないという点です。公式のよくある質問には「本補助事業の直接的な補助対象は個人の方ではありません」と明記されており、補助事業者に補助金が支給されることで受講者の費用負担が軽くなる、という設計になっています。

これが教育訓練給付金との最大の違いです。教育訓練給付金は受講料をいったん全額払ってから本人に支給される「後払い」ですが(この点はAIスクールの給付金は「後払い」で詳しく整理しています)、リスキリング支援事業は最初から割り引かれた価格で申し込む形になります。手元のキャッシュの必要額がまったく違います。

2. 「最大70%」の内訳は 1/2 + 1/5 に分かれている

公式サイトには、補助の内訳が次のように書かれています(2026年8月20日確認)。

  • ①リスキリング講座の受講を終了した場合:講座の受講費用(税別)の1/2相当額(上限40万円)
  • ②リスキリング講座の受講を経て実際に転職し、その後1年間継続的に転職先に就業していることを確認できる場合:追加的に講座の受講費用(税別)の1/5相当額(上限16万円)

1/2は50%、1/5は20%なので、足して70%です。CMやスクールの料金表に出てくる「最大70%」はこの合計を指しています。

注意したいのは、②が乗るのは「転職して1年間働き続けたことが確認できたあと」だという点です。受講を終えた時点で確定しているのは①の1/2(上限40万円)だけになります。「実質◯◯万円」という表示を見るときは、それがどちらの時点の金額なのかを分けて考える必要があります。

さらに、ここでいう「転職」は自由な転職ではありません。公式には「①補助事業で実施された職業紹介による転職、又は②転職支援を実施する職業紹介事業者が自社で雇用する転職により、新たな雇用契約を締結したこと」と定義されています。自分で見つけた求人に自力で応募して決めた転職が②の対象になるのかは、公式の記載だけでは判断できません。ここは申し込む前に事業者へ確認すべき論点です。

3. 【検算】公式の価格表で「70%」を再現してみる

制度の説明だけでは実感が湧かないので、実際にこの制度を使えるスクールの価格表で計算を再現してみます。ここでは侍エンジニア(SAMURAI ENGINEER)の転職保証コースの公式ページに掲載されている表を使います(2026年8月20日確認)。

公式に載っている通常価格の表は次のとおりです。

プラン 合計(税込) 公式の支給上限 公式の実質負担
集中8週間 47万5,200円 30万2,400円 17万2,800円
16週間 56万7,600円 36万1,200円 20万6,400円
集中12週間 65万3,400円 41万5,800円 23万7,600円
24週間 77万8,800円 49万5,600円 28万3,200円
集中18週間 88万4,400円 56万円 32万4,400円
36週間 105万6,000円 56万円 49万6,000円

この支給額が制度の説明どおりに出ているかを、自分で確かめてみます。計算式は「税込合計 ÷ 1.1 × 0.7(上限56万円)」です。

  • 集中8週間:47万5,200円 ÷ 1.1 = 43万2,000円 × 0.7 = 30万2,400円(公式と一致)
  • 16週間:56万7,600円 ÷ 1.1 = 51万6,000円 × 0.7 = 36万1,200円(一致)
  • 集中12週間:65万3,400円 ÷ 1.1 = 59万4,000円 × 0.7 = 41万5,800円(一致)
  • 24週間:77万8,800円 ÷ 1.1 = 70万8,000円 × 0.7 = 49万5,600円(一致)
  • 集中18週間:88万4,400円 ÷ 1.1 = 80万4,000円 × 0.7 = 56万2,800円 → 上限の56万円(一致)
  • 36週間:105万6,000円 ÷ 1.1 = 96万円 × 0.7 = 67万2,000円 → 上限の56万円(一致)

6プランすべてで公式の金額と一致しました。つまりこの価格表の「支給額」は、入学金を含む税込総額を税別に戻して70%を掛け、56万円で頭打ちにした値だと確認できます。

4. 上限が効き始めるのは税込88万円から

上の検算からもう一つ分かることがあります。支給額が上限の56万円に達するのは、税別総額が80万円(56万円 ÷ 0.7)を超えたときです。税込に直すと88万円。この線を越えると、金額が増えても補助は増えません。

実質的な補助率(支給額 ÷ 税込合計)を出すと、この構造がはっきりします。

プラン 税込合計に対する実質の補助率
集中8週間・16週間・集中12週間・24週間 いずれも 63.6%
集中18週間(88万4,400円) 63.3%
36週間(105万6,000円) 53.0%

上限に当たらないプランはすべて63.6%で横並びになります。これは0.7 ÷ 1.1の値で、「70%」が税別ベースの数字である以上、税込で見た体感の割引率は最初から63.6%が上限だからです。そして36週間プランでは53.0%まで下がります。

ここから言えるのは、この制度は長期・高額なプランほど恩恵が薄くなるということです。期間を延ばせば延ばすほど補助率が下がるので、「どれくらいの期間が必要か」を先に決めてからプランを選ばないと、増えた分の学費をほぼ自己負担することになります。

5. 修了時点の負担と、1年後の負担は別物

第2章で見たとおり、受講修了時点で確定するのは1/2(上限40万円)だけです。侍エンジニアの24週間プランで分解すると次のようになります。

タイミング 補助額 その時点での実質負担
受講修了時(1/2・上限40万円) 35万4,000円 42万4,800円
転職して1年継続就業後(追加1/5・上限16万円) +14万1,600円 28万3,200円

16週間プランなら、修了時点の実質負担は30万9,600円(56万7,600円 − 25万8,000円)で、公式表示の20万6,400円になるのは転職して1年後です。

公式の料金表に載っている「実質◯◯万円」は、転職に成功して1年間その会社で働き続けた場合の最終形だと理解しておくと、判断を誤りません。転職しなかった場合、あるいは1年以内に離職した場合にどうなるかは、事業者ごとの契約条件を確認する必要があります。

6. 教育訓練給付金との違いを整理する

比較項目 リスキリング支援事業(経産省) 教育訓練給付金(厚労省)
お金を受け取る人 補助事業者(受講者は割引価格で申込) 受講者本人(受講後に申請して支給)
支払いのタイミング 最初から割引後の金額 いったん全額を支払ってから後日支給
対象になる人 在職者で、転職を目指している人 雇用保険の被保険者期間などの要件を満たす人
転職の要否 満額を受けるには転職+1年継続就業が必要 専門実践の上乗せ分を除き、転職は必須ではない
手続きの窓口 補助事業者(スクール等) ハローワーク(受講開始前の手続きが必要)
上限 56万円 専門実践で年間上限64万円(給付率80%の場合)

教育訓練給付金の細かい給付率・上限・手続きの期限についてはAIスクールの給付金は「後払い」|手続きと注意点にまとめてあります。

なお、両方の制度を同じ講座に併用できるかどうかは、今回確認した範囲の公式ページには明記がありませんでした。侍エンジニアの料金ページでは、この2つは別々の価格表として並んで掲載されています。どちらを使うかで話が変わるため、無料カウンセリングの場で必ず確認してください。

7. 同じ「24週間プラン」でも制度によって金額が違う

今回の確認で気づいた点をもう一つ書いておきます。侍エンジニアの転職保証コースの料金セクションには、リスキリング支援事業用の価格表と、専門実践教育訓練給付金用の価格表が別々に並んでいます。そして同じ「24週間プラン」の金額が一致しません(いずれも2026年8月20日確認)。

制度 合計(税込) 公式の支給上限 公式の実質負担
リスキリング支援事業(最大70%OFF) 77万8,800円 49万5,600円 28万3,200円
専門実践教育訓練給付金(最大80%OFF) 64万9,000円 51万9,200円 12万9,800円

定価で12万9,800円、実質負担では15万3,400円の差があります。この差が生じる理由は公式ページ上では説明されていません。コースの中身や受講条件が異なる可能性もあるため、当サイトとしては理由を推測せず、事実として並べておきます。自分がどちらの表の金額で申し込むことになるのかは、カウンセリングで直接確認するのが確実です。

侍エンジニアの各コースの料金全体(教養コース・オーダーメイドコースを含む総額と入学金の扱い)は侍エンジニアの料金で別途整理しています。

8. 【2026年8月20日】テックアカデミーが受講者に誓約書の再提出を依頼している

この制度が実際に運用されている現場で、今日確認できた動きを1つ記録しておきます。テックアカデミー(TechAcademy)の公式サイトに「【重要なお知らせ】『リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業』に関する誓約書再提出のお願いについて」というページが掲載されていました(掲載日として2026年8月20日と表示、当サイト確認日も2026年8月20日)。

公式ページに書かれている内容を、事実だけ整理します。

項目 公式ページの記載
何が起きているか 本事業を利用した受講生へ、誓約書の再提出を依頼するメールを送付中
理由 事業事務局と確認を進める中で、受講時およびキャリア面談時に提出した誓約書について「提出時期の観点から」再提出が必要と確認されたため
対象になる人 本事業を活用してテックアカデミーの対象講座を受講し、受講料キャッシュバック(返金)を受けた人
メールの送信元 no-reply@techacademy.jp(公式が正式なドメインと明記)
送付時期 2026年7月上旬より順次。未回答者には複数回のリマインド、2026年8月以降は電話連絡の場合もあり
リンク先 提出用のGoogleフォームのみ。それ以外のサイトへ誘導することはないと明記
追加請求の有無 公式FAQに「皆様に追加のご請求が発生することはありません」と明記

ここから読み取れることを2つ書きます。いずれも公式の記載の範囲内で、推測は加えていません。

1つめ。この制度は、受講が終わったあとにも書類のやり取りが残ります。本記事の第2章で見たとおり、補助は「講座修了」と「転職+1年継続就業」の2段階に分かれています。誓約書のような書類の要件を満たしていないと補助金受給の要件を満たさないため、受講した本人にも後から確認の連絡が来ることがある、ということです。申し込みの時点で「あとで何の書類が必要になるのか」を事業者に確認しておく価値があります。

2つめ。この種の連絡は、詐欺メールと見分けがつきにくくなります。公式ページ自体が「本メールはテックアカデミーからの正式なご依頼であり、詐欺や不審なメールではございません」と説明しているとおりです。公式は、金銭の振込・支払いの請求、銀行口座の暗証番号やクレジットカード情報の入力、ID・パスワードの入力、電子マネーやギフトカードの購入、アプリのインストールや遠隔操作の依頼を一切お願いすることはないと明記しています。これらを求められた場合は、メール内のリンクを使わず公式の問い合わせ窓口に直接連絡するのが安全です。

なお、このお知らせのメール件名には「LINEヤフーテックアカデミー受講について」という版も含まれると公式に記載されています。両ブランドの現在の受付状況はテックアカデミーは募集停止中LINEヤフーテックアカデミーも新規申込を停止中で整理しています。

9. 申し込む前に確認したい5つのこと

  1. その講座が本当に本事業の対象か。公式の補助事業者検索ページには「掲載されている情報は、2026年3月時点のものです」「現時点で事業を開始しているすべての事業者について検索可能な状態ではございません」と注意書きがあります(2026年8月20日確認)。検索に出てこないことは、対象外であることを意味しません。逆に、掲載されていても最新の状況は事業者に確認が必要です。
  2. 追加の1/5がもらえる「転職」の範囲。自分で応募して決めた転職が対象になるのか、事業者の職業紹介を経る必要があるのかを、契約前に文書で確認してください。
  3. 転職しなかった場合・1年以内に離職した場合の扱い。追加分が出ないだけなのか、返金や請求が発生するのかは事業者ごとに異なる可能性があります。
  4. キャリア相談と転職支援がセットである前提。公式では、この事業は3点セットで提供されるものと説明されています。「講座だけ受けたい」という使い方は想定されていません。
  5. キャンペーン価格の適用期間。今回確認した侍エンジニアのページには「最大64,900円OFF・期間2026年8月15日まで」と書かれた割引後の価格表も並んで掲載されていましたが、確認日(8月20日)時点でこの期間はすでに過ぎています。表示されている割引後価格が今も適用されるかは確認が必要です。

転職そのものが目的なら、スクールに入る前に転職市場側の情報を取っておくと判断が早くなります。無料のキャリア面談で求人の有無を先に確かめる方法はテックゴーの無料キャリア面談で整理しています。

どちらの制度で申し込むことになるのかを、先に確認する

この記事で見たとおり、同じコース名でも使う制度によって金額が変わります。侍エンジニアの無料カウンセリングは受講を決めていなくても利用できるので、上の5点を持ち込んで「自分の場合はどちらの表の金額になるのか」を聞くところから始めるのが現実的です。

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よくある質問

リスキリング支援事業と教育訓練給付金は何が違いますか?

お金を受け取る人と支払いのタイミングが違います。リスキリング支援事業は補助事業者に補助金が支給され、受講者は最初から割り引かれた価格で申し込みます。教育訓練給付金は受講者本人がいったん全額を支払い、後から支給を受ける後払いです。また、リスキリング支援事業で満額を受けるには転職と1年間の継続就業が必要です(2026年8月20日 公式確認)。

「最大70%」は必ず受けられますか?

いいえ。70%は「講座修了時の1/2(上限40万円)」と「転職して1年継続就業した場合の追加1/5(上限16万円)」の合計です。受講が終わった時点で確定するのは前半だけです。また上限は合計56万円なので、税別総額が80万円(税込88万円)を超えるプランでは、実質の補助率が70%より下がります。

在職中でなくても使えますか?

公式のよくある質問には「サービスへの登録時とキャリア相談対応における初回面談時に在職者であり、雇用主の変更を伴う転職を目指している方が対象」と記載されています(2026年8月20日確認)。離職中の方は対象要件を満たさない可能性があるため、事務局または事業者に確認してください。

対象のスクールはどこで調べられますか?

公式サイトの「補助事業者を探す」ページで、職種やスキル分野から検索できます。ただし同ページには掲載情報が2026年3月時点であること、事業を開始しているすべての事業者が検索可能な状態ではないことが明記されています(2026年8月20日確認)。検索結果だけで判断せず、気になるスクールには直接問い合わせるのが確実です。

確認に使用した一次情報

本記事の金額はすべて2026年8月20日時点で公式ページに表示されていた内容です。制度の運用や各スクールの価格は変更される可能性があるため、申し込みの前に必ず最新の公式情報をご確認ください。支給の可否や金額は個人の状況によって変わります。